お届けするダブプレートの再生確認作業をご紹介

CUT&RECのダブプレートサービスでは、レコードをお届けする前に入念な再生確認を行い、問題がないことを確認してから商品を発送しています。ここでは、CUT&RECがどのような再生環境で、レコードの再生確認を行っているのかを紹介します。

定番レコードプレーヤーと老舗メーカーの再生針での再生確認

レコードプレーヤーには、70年代の発売からこれまでも多くの人に使用されている定番SL-1200シリーズの「Technics SL-1200 MK5」使用。再生針には、老舗のレコード針専門メーカーortofonのエントリーモデルに位置付けられる「ortofon 2M Red」を使用して、レコードのカッティングにおける再生確認を行っています。

Technics SL-1200 MK5

CUT&RECのサービス開始当初は、まず音質を整えるため周波数レンジが広いMC型の「ortofon MC Q5」を使用して再生確認とカッティングを繰り返し、独自の音作りを行いました。

音質調整が確定したうえで、歪みや針飛びを確認するために出力が大きいMM型針の定番とも言える「SHURE M44G」を再生確認として使用していたのですが、昨年敢え無く生産完了となってしまったため、現在使用している「ortofon 2M Red」を導入しました。ortofonの製品の中でも手頃な部類の針ですが、音のバランスもよく、歪みや針飛びなどのトラブルを正確に把握できるので、作業ではとても重宝しています。

ortofon 2M Red

レコードの溝の劣化を考慮した確認作業

レコードは、オーディオファイルやCDとは異なり、実際にカッティングしてみないと、どのようなサウンドに仕上がるか分かりません。そのため、事前にテストカッティングを行って、収録する音声を調整するのですが、この作業とともに重要なのが、歪みや針飛びがないかの確認作業です。

最終的な再生確認は、本番カッティング後のレコードに対して行うのですが、できるだけフレッシュな溝の状態でレコードをお届けするために、何度も再生針を置くわけにはいきません。従って、カッティング直後のレコードの音声を録音して、そのオーディオファイルを使って詳細な確認作業を行っています。こうすることで、お届けするレコードの溝の劣化を最小限に抑えています。

カッティングに使用するDAW「Studio One 4」

オールインワンタイプでのレコード再生について

エントリーモデルであるオールインワンタイプのレコードプレーヤーは、トーンアームの作りが簡易的なので、針飛びしやすい性質を持ちます。市販のレコードでも針飛びする場合があるようですが、そのリスクはダブプレートも同様です。

CUT&RECでは、オールインワンタイプでのレコード再生を推奨していませんが、オールインワンタイプでも安心して再生できるよう、カッティングの調整を行っています。今後も、再生確認環境の充実と技術の向上を図り、多くの人に楽しんでもらえるダブプレートをお届けしていきたいと思います。